―第三十四章:ラ・トラヴィアータ その4―
「まずは、私の出自から話しましょうか。私の母アルトは、ホルン様の妹。父も王家と遠縁の貴族の出で……でも二人は、私が生まれて間もなく、流行病で死んでしまったの。
それで私は、伯母であるホルン様の元で養育されることになった。ホルン様には私より数か月前に生まれた長男がいてね…私は彼と共に同じ乳母に、乳兄妹として育てられた。
彼の名前はリュート。……そう、フルート、あなたのお兄さんよ。
リュートは小さい頃から、大きくなったらスフォルツェンドを守る人間になるっていう自覚があった。王家の男子は代々そうして生きてきたものだけれど、彼の場合は、何よりもその心優しさからきていた。
そんなリュートの魔法の才能には、目を見張るものがあったわ。攻撃魔法も防御魔法も、結界魔法も何もかも完璧で……まぁセンスがなくて変な魔法が混ざってたのが玉に瑕だったけど、まだ子どものうちから色々な魔法を操っていたから、城中の人達が驚いていたわ。元々王家の男子は法力が強いものだけれど、リュート王子はそれ以上だ…ってね。
私は、そんなリュートを助けたくて……最初は、リュートばっかり色んな魔法を習ってズルい、私も回復魔法以外も覚えたい、そんな子どもじみた張り合いから始めた魔法修業だったけど……それでもいつしか、私はリュートの手助けになって共に戦っていくんだって、そう思ってた。
仮にも王女が魔法兵団なんて、って、パーカスはよく目くじら立ててたけどね。まぁ確かに王位継承権は私にもあったけど、あくまでも優先されるのは直系であるホルン様の血筋だし、大人しく城の中で…なんてのは私の柄じゃ無かったし。
だから、史上最年少でスフォルツェンドの大神官となったリュートと一緒に、私は戦いの日々を送っていたわ。丁度パンドラの箱から災厄が…魔族達が世界中に溢れて間もない頃だったから、あちこちで魔族が暴れていた時代だった。
楽しいことばかりじゃなかった、辛い戦いや苦しい戦いもあった……お互い、毎日傷だらけでホルン様を心配させてたわ。それでも、リュートと共に過ごしていたあの頃は、この上なく充実していた……今となると、そう思うのよ。
リュートは不思議な人でね、普段は子どもっぽい癖に、戦いとなるとガラッと変わっちゃうの。その戦いぶりを人はこう呼んだわ。人類の守護神、って。そして魔族達はこう称した…スフォルツェンドの魔人、と。それ程までにリュートは強かったの。
だけどリュートは…普段は、どこまでも明るくて、優しい人だった。お城に出入りする子ども達ともよく遊んでいたわ。高官の子ども達だったり、遠縁の王族の子ども達だったり…その中にはクラーリィもいたのよ。あの頃のクラーリィは可愛かったわ〜、素直で、無邪気で、今じゃすっかり堅物になっちゃったけど……、って、脱線しちゃったわね。リュートは子ども達の人気者でね、一緒に遊んだり、魔法を見せたり、楽しそうだった。
そう…本当は戦いよりも、そういったことの方がよく似合う、優しい人だったわ。あれだけ毎日のように魔族との戦いに赴いていたのも、すべては人々を守るため…。自分が幾ら傷ついても、他の誰かを守れたのなら構わない、……そんな人だったの。
それで…今から十五年前。私とリュートが十七歳の時よ。ホルン様に待望の第二子が誕生したの。勿論それはあなたよ、フルート。
リュートはそれはもう喜んでね、フルートが生まれる前からはしゃぎっぱなしで、浮かれっぱなしで……生まれてからはもうメロメロ。毎日毎日フルートのこと抱っこして、『可愛いなぁ』って。『この子はボクが守るんだ。お兄ちゃんなんだから』って、……凄く、嬉しそうだった。ベタベタし過ぎちゃって却ってフルートはなかなか懐いてくれなかったんだけどね。力任せに抱き締めたりするから、骨がばきっとかぼきっとかなって慌てて私やホルン様が回復魔法かけたりしたこともあったわ、ふふ。…って笑い事じゃないわよね。
王家としてみればね、フルートの誕生は悲願の直系の王女、っていうところだったんでしょうけど、でもリュートはそんなことよりも、この世でたった一人の、自分と血の繋がった妹ができたこと…そのことがただただ、嬉しかったのよ。あの頃はきっと……ホルン様やリュートにとっては、何よりも幸せな時間だったでしょうね。
……だけど、そんな時間はそう長くは続かなかった。フルートが生まれてから大体半年が経った頃…スフォルツェンドに魔族達が攻めてきたの。それも、当時の魔界軍王四人が勢揃いで、大軍を率いてね。
丁度その日は、フルートの誕生をお披露目する宴を開いていたの。ホルン様もリュートも楽しそうで……特にリュートは、その日フルートにやっと笑顔を見せて貰えて本当に嬉しそうで……でも魔族襲来の報で、楽しい時間は一瞬で砕けてしまった。
厳重な守りを固めていた筈の国境の兵団は総崩れ、街に魔族達が侵入して、スフォルツェンド中が火の海と化したわ。魔族達の脅威もさることながら、魔界軍王が四人も一気に攻めてきたという事実が何よりも驚きだった。あなた達もドラムと戦ったり、サイザーが仲間だったりしたから分かるでしょう、魔界軍王がどれほど強力な存在であるかを…。
正直、勝算があるかどうかは分からなかった。それでも、スフォルツェンドを滅茶苦茶にした魔族達は許せなかったし、ホルン様や国の民を守る為にも、私は戦おうとした。たとえ魔界軍王相手でも、リュートと一緒に戦えば何とかなるかもしれない、…そういった思いもあったわ。
……でも、リュートは、私を一緒に戦わせてはくれなかった。『魔界軍王とはボクが戦う、君は守備の崩れた国境へ行ってくれ』、って……。私は拒否したわ。リュート一人を魔界軍王と戦わせたくなかった。リュートの背中を守って、一緒に戦いたかった! いつもいつもあの人はそうやって、一人で重いことを背負い込もうとするから…!
……だけどリュートは、私のことを諭して……国境を放っておけばこのままどんどん魔族の侵入を許してしまう、だから、って。それは魔法兵団すべてを束ねる大神官としての、一隊長である私への命令だったわ。
私は結局、それに従った。頷くしかなかった……本当はリュート一人で行って欲しくはなかったのに。その後何度も何度も後悔した、その時命令に背いてでも、何が何でもついていって、一緒に戦えば良かったって……!
……それで私は、国境付近で戦った。リュートはスフォルツェンドの崩れた街中で、魔界軍王達と戦ったわ。私はその時のリュートの戦いを直接この目で見届けたわけじゃない…後から、真実の鏡を通して見たの。それでも、その戦闘の凄まじさが伝わって来たわ。
リュートはまず、幻竜王ドラムをたった一撃で叩きのめした。あのドラムをたった一撃でよ? 信じられる? その後出てきた悪魔王ピックも、一発の魔法で吹き飛ばした。これもたった一発よ……俄かには信じられないでしょうけど、それ程に、リュートは強かったの。
それで……とうとうあいつが出てきたわ。冥法王ベース。その頃はまだ、あいつはあいつの体があったの。流石に、あいつは他の軍王とは並外れていたわ。ドラムやピックに通用した攻撃が、ベースにはまるで通じなかった。リュートがどれだけ法力を込めた攻撃を繰り出しても、びくともしなかった。
リュートはベースの攻撃を受けて、体中大怪我して、武器である法剣だけじゃなく、両腕まで……折られて。……だけどあの人は諦めてはいなかったの。そんな状況でも……折られた法剣の、魔法玉の真上にベースが来た時を見計らって、リュートは最大級の攻撃魔法を発動させたわ。ベースの体はバラバラに吹き飛んで……だけどあいつはまだ生きていた、生首だけになっても!
ベースは聖杯という言葉を口にしたわ。大魔王ケストラーが封印されたことで、魔族達の魔力には限りがある……だからそれを補うものが必要で、そしてそれは、聖なる血脈でありながら魔人とも呼ばれる程に膨大な法力を持つ、リュートの血だ、って。
勿論、魔法兵団はリュートを助け出そうとしたわ。でも、それを見越して、あいつは、あいつらは……スフォルツェンド側にとって、リュートにとっては最も効果的な、卑劣な手段に出た。フルートを守っていた父王であるチェンバレン様の一団を壊滅させて、亡き者にしてフルートを奪って……まだ赤ちゃんだったフルートを人質にして、盾にしたのよ……!
そんなことされたら、魔法兵団だってリュートだって、手が出せない……。だけどそれでも、リュートは……一矢報いようとしていた。禁断の呪文、自己犠牲自爆呪文……自らの命と引き換えに敵を倒す、正真正銘最後の手段。でも、それはギータに邪魔されたの。ギータは、もう呪文を唱えられないように、これ以上の抵抗ができないようにって、リュートの喉や、足や、目まで、斬り裂いて……。
誰も何も手出しができない中、リュートの魂はとうとうオル・ゴールによって奪われたわ。そしてそれはそのままベースに渡されて、リュートは、倒れて……。でもその時、フルートが大声で泣いたの。まだ赤ちゃんだったのに…それでも自分の兄が傷付き倒れたことが悲しかったのか……。
そんなフルートも、ベースは殺そうとしたわ。『魔人と同じ血をひく妹だ。生かしておくと脅威となるかもしれない。殺せ』ってね。その命を受けて、ギータが進み出て……でもその時、信じられないことが起こったの。リュートが動いたの。立ち上がったの。戦ったのよ、全身に大怪我をして、目や喉や足を斬られていて、魂すら奪われていたのに、それでもあの人は、フルートを取り戻すために戦っていたのよ……!!
……私が、国境での戦いが一段落してリュートの所に駆け付けたのは、ちょうどそんな時だった。正直、ね、それ見た時ほっとしていたのよ。フルートを人質に取られて、リュートが危険だって聞いていたから、なんだ、ちゃんと戦えてるんだ、って、無事だったんだ、って……。
リュートは魔族達から取り戻したフルートを、大切そうに抱き締めてから、転送魔法でホルン様に送った。私はそんなリュートに駆け寄って、回復魔法をかけようとしたの。でもあの人、笑って一言だけこう言ったわ。『ごめん』、って。
その時すぐに、その言葉の意味が呑み込めなかった。でも、それからリュートは、もう動いてくれなかった。訳が分からなかったわ。だって、ついさっきまで動いて、喋っていたのに、何で、どうして、って…。
呆然としていた私の所にベースが来たわ。あいつは言ったの、リュートの体を渡せって。当然、私は断った。事態は分からないけど、リュートの体を魔族達には絶対に渡さない、って思った。だけど結局、ベースにリュートを奪われてしまって……必死に戦ったけど、取り戻せなくて、それであいつらは、リュートに何やら黒い塊を埋め込んだ。
その途端、大神官の法衣を着ていたリュートの姿が変わったの。リュートはベースが着ていたものと同じ、軍服姿になった。髪の毛だって…明るい藍色だった髪が、真っ黒に、なって……。
何よりも違っていたのは表情だった。普段は明るかった表情が…戦う時にはどこまでも勇ましかった表情が、すっかり、無くなってた。ただただ冷たい、虚ろな瞳になって、人形みたいに、凍りついた顔になって…。
リュートは魔法で、すぐ側にいた魔法兵団を吹き飛ばした。目を疑ったわ。あんなに、人々の為に戦っていたリュートが、どうして誰かを傷つけるような真似をするのか、って。その上、ベースに忠誠を誓うような素振りまで見せて……信じられなかった。
その後すぐ、ベースは撤退していったわ。リュートの体をまんまと手に入れて……私は追いかけたけど、無理だった。あの人はベースに連れ去られてしまった……。……ベースは元々、寿命が近付いていたらしいの。だから代わりになる、新しい身体を求めていたのね。その標的になってしまったのが…リュートだった。魔力の元としてその血も狙われていたけど……血まで奪われなかったのは、今となってはせめてもの幸いだったのかもしれない。
リュートに埋め込まれた黒い塊の正体は、反魂の法という魔法。術者が己の命を分けて邪悪な魂の玉を作り、魂を抜かれて死体となった者にその玉を埋め込む……そういった邪法。その黒い塊を入れられると生き返ったように動き始めるけど、元々の自分の魂を抜かれたわけだから、それまでの記憶や感情は無くなって……邪悪な術者の魂のみが反映される。リュートの場合は、どうやらベースに都合がいいように操られているようね。あの魔法のせいで…リュートはリュートでなくなってしまった……。
十五年前の戦いにおいて、魔族達の目的は、スフォルツェンドそのものでなく、スフォルツェンドで守護するパンドラの鍵でもなく、リュートその人だった…。その証拠に、魔界軍王達はリュートを手中に収めるとさっさと北の都に帰っていったわ。大勢の魔族達は残したままでね。だから戦いはしばらく続いたわ。リュートを魔族に奪われたことで苦戦を強いられたけど、だからこそ魔法兵団が一致団結して。
フルートを逃がしたのはそんな折よ。ホルン様も、手元から離すのは相当に辛かった筈、だけど、『リュートがあんな風になってまで守ろうとしたこの子を、失うわけにはいかないから』って…。その後手違いで行方不明になってしまうなんて、その時は夢にも思っていなかったのよ。ただただ、ホルン様はフルートを守りたい一心で……。
そうして何とか、大戦は終結したの。リュートのことは、表向きは戦死として発表されたわ。もっとも、各国の首脳達は事実は知っていたけれど……それでも本当のことは世間には言えなかった。言えるわけがないじゃない、ねぇ。あんな痛ましいこと…。
戦いは終わったけど、私の心は沈んだままだった。リュートを失って、フルートの行方も分からなくて……でもそんな時に、思い出したことがあった。魔族達が攻めてくる前、宴の最中にリュートはこんなことを言っていたの。
『十五年後、フルートは仲間達と共に北の地で魔族達を打ち払うだろう』って。人類を平和に導く、そんな輝きを君は持ってるんだ、なんて言って盛り上がって。
その時はリュートってば大袈裟ね、くらいしか思わなかったけど、後からじわじわ思ったの。もしかしたらそれは、リュートの予言なのかもしれない、って。あの人は、予知魔法も得意だったから。
……私は、リュートのその言葉にかけてみることにした。リュートをすぐに魔族達から取り戻したい、そういった思いは勿論あったけど、リュートでさえ敵わなかったベースに、私なんかの力じゃ到底敵わないことも良く分かっていた。
だから……私も禁呪に手を染めたの。不老の法っていって、肉体の若さを留め、内にある法力も増大させる禁断の魔法。だから私の体は、十五年前と同じ十七歳の時のままなの。ベースが言っていたのはそのことよ。
だけど勿論リスクはある……若い肉体と強力な法力を保てる代わりに、私の残りの寿命はどんどん擦り減っているの。寿命を使うことで若い肉体を保てる、と言い換えてもいいわ。具体的にどの程度寿命が減っているかは分からないけれど…恐らく、回復魔法を使うよりもずっと早く縮んでいるんじゃないかしら。
もしかしたら、私はあと十数年も生きられないかもしれない……それでも構わなかった。あの人を助けることさえできれば、あの人を助ける為なら私の寿命なんて大したことない、そう思った。それで、修行をしながらずっと待って、十五年もの時を待って……、ようやく、あなた達に出逢えたのよ。五つの大きな希望達。
……いきなり、こんな話をした所で、すぐにあなた達に受け入れて貰えるとは思ってはいないわ。だってあなた達にとっては、今のリュートは紛れも無く冥法王ベースですものね。
それでも……私にとっては、あの人はどこまでもリュートで……何とかして助けたくて……だからベースがダル・セーニョに現れた時、我を忘れて飛んで来ちゃった。結果は、……散々だったけどね。
リュートを取り戻せないばかりか、フルートの魂まで、リュートに奪わせてしまって……。あの人は、それを平然と行っていたけど、でも、きっと、心の奥底では苦しんでいた筈よ。私は信じてる、あの人にはまだ心が残っている、って。
だって、ドラムとの戦いの時、あなた達も見たでしょう? 氷縛結界…氷の巨大な槍が、ドラムの動きを封じていたのを。あれは、リュートの魔法なの。優勢だったドラムを封じる必要はベースにはない……だから、あれはリュートの魔法。あの場面であの魔法を放つのはリュートだけとしか、私には考えられないの! きっと故国を救うために、あの人は、ベースの支配下に置かれながらも、あの魔法を放ったんだ、って……。
それに思い当った時、嬉しかったけど、悲しかったわ……。あの人はベースに操られながらも、それでもまだ誰かを、何かを思う心がある……。それがどうしようもなく悲しくて、切なくて、だからドラムとの戦いが終わった時、人目も憚らずに私、大泣きしちゃって……。あなた達の力もあってせっかく勝てたっていうのに…あの時は、勝利の余韻を吹き飛ばしてしまって、ごめんなさい。
…反魂の法は、そういったおぞましく、恐ろしく、そして悲しい魔法よ。ヴォーカルがそれをサイザーに仕掛けようとしていた時、咄嗟に体が動いた。あの魔法を、二度と繰り返しちゃいけないって…リュートの悲劇は、もう避けなくちゃいけないって、何が何でも。無我夢中だった。それでも、サイザーがあの魔法の餌食にならなくて、本当に良かったと思っているわ。大切な仲間が敵にいいようにされるなんて悲しい思いは、あなた達に…もう誰にも、して欲しくはなかったから…。
……今のリュートは…冥法王ベースは、あなた達にとっては敵だから、私の話を全部理解して欲しいとは言わない。ただ……知っていて欲しかったの。あの人がどんな人だったのか、どんな思いで戦ってきたのか、そして今も尚、心の奥底で戦っていること、苦しんでいること…。
私はリュートを助けたい。何としてでも。ホルン様も、立場上言えないでしょうけれど、…内心ではずっとあの人を助けたいと、そう思っているのよ。
あなた達にそれに協力して、とは言えないわ。でも、だけど、知って欲しかった、ずっと……あの人のこと。強くて、優しかった英雄…リュートのことを……」
長い長い語りが、ようやく終わろうとしていた。
途中でぽつぽつと会話をすることもあったが、勇者一行はエルの話に真摯に耳を傾けてくれた。ただ、この長い話が終わった後、皆の顔に浮かぶのは複雑そうな、或いは何とも言えない表情だった。
無理も無い、と思う。
「やっぱり、一度にこれだけ長い話をするのは疲れちゃったわ。長いこと寝てたから体も重いし…ちょっと、外に出て空気を吸ってくるわね」
努めて明るくエルは言った。寝台に手をついて立ち上がる。何とか一人で歩けそうだった。
立ったついでに、例の十字架も手に取る。
「それじゃあ、また後で」
にっこりと笑って手を振って、なるべく皆の顔を見ないようにしてエルは部屋を出た。
少し、一人になりたい気分だった。
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敢えてのエルの一人語り。
以前書いたもの(第一部の辺り)に参考のため目を通したら十年も前に書いたものだった…(そして文が簡潔すぎワロタ)
このリアルの時間経過にびっくり。時間かかり過ぎですね;
流石に十五年経つ前には完結させたい。
これまた結構前に書き上がってたのに、更新まで時間かかりました。
2014,11,10
初稿:2014,8,1
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