久し振りに、エルはリュートの夢を見た。
今まで、彼の夢は幾度も見た。内容は大体同じで、そのほとんどはリュートが第一次スフォルツェンド大戦で戦い、敗れ、最後にベースと化すという悪夢だ。
現実で彼がそう傷ついているのに、夢の中でも幾度となく繰り返されてきた光景……夢の途中で『これは夢だ』と気が付いてもそこで目が覚めることも無く、エルの思う通りに夢を進行させることも叶わなくて―――例えば夢の中だけでもあの戦で無事に勝利を収めるリュートを見たいと、そんな却って悲しいことすらも、今まで実現することは無かった。
しかし、今回の夢は少々毛色が変わっていた。
夢を夢だと認識するところは同じだった。しかし、まるで水晶の中の出来事を見ているだけのように、ただ夢の続きを見ているしかないエルの前には、いつもの夢とは違う光景が広がっていた。
光のように白くて何もない薄ぼんやりとした空間の真ん中に、リュートが立っていた。
ベースの軍服でなく、白と薄水色を基調とした大神官のローブを纏ったいつもの彼だった。夢だと分かっていても駆け寄りたくて、しかしいつまで経ってもエルの足は進むことは無かった。どうやらこの夢の中に自分が出演しているわけではないらしい。だからやはり、見ているだけなのだ。
それでもリュートは真っ直ぐにこちらを見て、にこっと笑ってくれていた。柔らかく明るい、大好きな彼の笑顔の筈なのに違和感を覚える……理由はすぐに分かった、不意に全身の色素が薄くなったリュートのあちこちに、ひび割れが生じているのだ。まるで陶器の人形か何かのように。
(……!?)
夢の中だとは分かっているのにエルは驚愕する。何故、とその理由を問うことも考えることもできぬまま、リュートの肌の亀裂は深まり、体はぼろぼろと砕け、破片が彼の周りをふわりと舞う。砕けるそばから、リュートの姿が薄くなっていく……。
「……! ……ッ!!」
やはりエルの声は、声にはなってくれなかった。リュートの体の一部だった筈の欠片は、砕けるそばから光の粒と化し、天へと昇っていく。嫌な予感が止まらない。このまま崩壊が続けば、リュートは。
こんな夢からは一刻も早く目覚めたくて、しかし夢の続きが気になるのも確かで、エルはどうしようもなく苦悩する。これだったらまだ、続きが分かっているいつもの夢の方が、気が楽だったかもしれない―――しかしやはり、リュートからは目が離せない。
自分自身がそんな状態になっても尚、リュートは微笑みを浮かべたままだった。そこに悲壮感はなく、むしろ満足そうですらあった。
しかしそれもやがて輪郭線が滲み、薄く薄く溶けて行って……。
「………っ!!」
そこでエルは目を覚ました。現実の視界には漆黒が広がっている。
浅い呼吸を繰り返しながら、少しずつ夢と現実との状況を把握する。闇に慣れた目に映るのは見慣れた自室の内部で、今エル自身は確かに、いつもの寝台に身を任せているのだ。掛布をはぐようにして上半身を起こしながら、エルは額に掌を当てる。ひやりとするような、しかしじんわりと温かいような気もする肌の感覚。
「……縁起でもない」
ようやく、呟く。やはりここは現実で、そしてあれは確かに夢だった。
改めてそう確信するのに、全身を震わすような嫌な予感は消えない。ただただ重い溜め息だけが出てくる。
エルはそのまま寝台からゆるゆると下りた。そうしてふらりとした足取りで窓際へと向かう。今宵は月夜ではないが、それでも朝が近いのか、藍に近くなった空が見えた。
やはりあれは夢だった。しかし夢にしては、酷く生々しかった。到底信じられない光景なのに、それでも質感があったというか、すぐ目の前で見ているような臨場感があったのも確かだ。
成す術も無いまま、ぼろぼろと砕けて行くリュート……十五年前のあの悪夢とはまた違った、悪夢の光景。
どうしてこんな夢を見たのかは分からない。単なる夢なのか、それとも、何かを暗示しているのか。
魔法の才を持つ者は、時に予知という形で夢を見ることがある。だからあの崩れて行くリュートの姿は、未来の光景かもしれないのだ。今この時ばかりは、己自身の魔法の才が恨めしい。
またも重々しく溜め息を吐き、しかしその嫌な予感を払拭するように頭を振る。
「…まさか、ね。単なる夢よ、夢…」
自分に言い聞かせるようにエルは言う。
そう、単なる夢だと片付けられれば良かった。
けれどいつまで経っても、エルの脳裏にはリュートが砕けて光に溶けていくあの光景が、消えないのだった。
―第二十七章:予兆―
オル・ゴールを退け、勇者一行は窮地から脱した。
ハーメルによって破壊されたスコアの復興も少しずつ進んでいる。スコアの国王や民達は、あれだけの被害を出したのにもかかわらず、ハーメルやフルートらに理解を示してくれた。勇者達にとってそれは何よりも有り難く、また、人々のために戦うのだということを、強く意識させてくれる出来事でもあったことだろう。
こうしてスコアには平穏が戻ったが、だからといって油断してはいられない。北の都に魔界軍が陣取っている限り、人類には真の安らぎは訪れないのだ。
現に、スフォルツェンドにも再び、魔族達の怪しげな影が忍び寄っていた。先の大戦ではほとんど手を出してこなかった超獣軍…その魔族達が、この所スフォルツェンドの国境に大挙して押し寄せている。
積極的に攻め入ってくるわけでもなく、かといって大人しく退いてくれるわけでもない。まるでこちら側を誘いこんでくるかのような、不自然な攻防を最近は繰り返しているのだった。
国境外を守護する魔法兵団の陣頭に立って指揮を執っているのは、エルだった。無論、大神官であるクラーリィも戦況を把握してはいるが、スフォルツェンドそのものや女王を守るという責務上、彼には全体を見渡せる位置で状況を掴んで貰わねばならない。そのためにクラーリィは城に留まっている。
そこで魔法兵団内では彼に次ぐ立場であるエルにそのお鉢が回ってきた。数万騎の兵団を抱え、また国民の命がかかっている以上、失敗は許されない。魔族達の態度に不信感を募られながらも、エルは努めて冷静に状況を見極めようとする。
本陣の天幕内で、地図の上での布陣と睨めっこしながら、エルは考えを巡らせる。
(今の魔法兵団の戦力なら、深く攻め入れば超獣軍を壊滅させることは可能だわ。でも…)
そう、今の戦力ならば、超獣軍を一網打尽にすることは可能ではある。しかし、それを狙ってこちらが総攻撃を仕掛けようとすると、超獣軍はいつも後方へと退き、こちらと積極的に抗戦しようとはしない。かと言ってこちらが布陣を緩めれば、超獣軍はそのタイミングを狙って攻撃を仕掛けてくる。守りを固めてみれば、また後退していく…その繰り返しなのだ。
後退する超獣軍に対し、こちらもどこまでも追随して攻撃を仕掛けていけば、彼らをすべて滅する程の兵力は有している。現に、軍部内でもそうすべきだ、という声も上がっている。
しかし、でも、とエルは考えている。もしそれが、超獣軍の何かしらの罠だったなら、と。例えば膠着状態を打破しようとして、こちらが本陣に総攻撃を仕掛けるとする、そうなると主戦力はそちらへと向かうわけで、その隙に手薄な本国を別軍隊に狙い撃ちされる可能性も考えられる。いわゆる敵の陽動作戦、よくある手口だ。
この超獣軍との諍いも、魔法兵団を引きつけるのが目的で、真の狙いが別にあるのだとしたら―――そうした疑念がある限り、やはり迂闊には動けない。
正直、こういった長期にわたる互いの腹の探り合い、というのはエルの性に合わない。できればとっとと相手の本陣に攻め込んで、一気に壊滅に追い込みたい―――しかしそれでもエルがじっと辛抱しているのは、やはり上記の懸念からによる。
加えて、魔族の現戦力を考えれば、慎重になってしかるべきだろう。大魔王ケストラーは依然封印中。四人の魔界軍王の内、一人は死亡、一人は離反。オル・ゴールを差し向けてパーティの分断と勇者ハーメルの魔族化を図ったものの、あちらから見れば結果的には失敗……。これだけの事実を見れば、あの策略家のベースの事だ、すでに何らかの次の手を打っていても不思議ではない。
案の定、このどこか不毛とも言えなくも無い小競り合いを繰り返している数日の間に、スフォルツェンド本営からは悪い知らせが次々と送られてきた。
第五の魔界軍王とも呼べる魔族・ヴォーカルの存在。彼によってスコアが一夜のうちに滅ぼされたということ。勇者一行もその事実に打ちのめされ、トロン・サイザーの確執もあり、パーティ内に再び亀裂が入ったということ。更にはスフォルツェンド城内にも、何やら怪しげな肉玉状の魔族が現れたとか……。
スコアが滅亡したということには、エルも動揺せざるを得なかった。ハーメルにも理解を示し温かく受け入れてくれた、あのスコアが……。しかも、その出来事からほんの僅かな間に。ハーメルやフルートらの衝撃もさぞや深いことだろう。
その惨劇を引き起こした魔族、罪人ヴォーカル。エルもまた初めて耳にする存在だった。どうやら、長らく北の都に封印されていたらしい。強大な力を持つらしい彼に、勇者一行は敵うのか―――。
こういった情報を聞くたびに、エルは一刻も早く超獣軍とのこの状態にケリを付けたいという焦燥に駆られる。スフォルツェンドの危機を取り払いたいことも勿論だが、ホルンらの身が気掛かりなためでもあるし、勇者一行に加勢したい気持ちがあるからでもある。やはり魔界軍共は勇者達を簡単に北の都へと進ませてはくれないらしい。城内にまで魔族が現れたということにしても、余程の事態だ。
(かといって今この持ち場を離れるわけにもいかないし…一体どうしたら……)
いっそ超獣軍がこちらに総攻撃でもしかけてきたなら、返り討ちにする自信はあるのに。エルが焦りを誤魔化すように頭を掻いていると、
「エッ、エル様ー!!」
突然、部下の一人が本陣の天幕内に慌てた様子で飛びこんできた。彼の只ならぬ様子に、天幕内にいた他の幹部達にも動揺が走る。
「どうしたの? 超獣軍がついに全軍で攻め込んできたりでもした?」
この発言には若干の希望も入り混じってはいた。しかし兵士は戸惑った風にいいえ、と首を振る。
「いえ…それがまったくの逆です。超獣軍が突如、全軍を引き上げていきました…!」
「……!?」
この報告にざわめきが広がる。今の今まで両軍睨み合いを続けていた筈なのに、何故このタイミングで撤退したのか。しかも双方共に大した被害も無く、あちらはわざわざ北の都から出向いてきたのに、だ。やはりあまりにも不自然すぎる。
「退いた…と見せかけて、こちらが油断している間に一転、攻め込んでくる策とかではなく?」
「それがですね…斥候隊の報告によると、超獣軍は今度は何でもダル・セーニョの方角に進軍しているのだそうです。それにダル・セーニョにも、既に超獣軍の別の師団が布陣しているのだとか…」
「…ダル・セーニョ?」
エルは訝しげに聞き返す。
勇者一行のトロン王子の祖国でもあった剣技の国ダル・セーニョは以前魔界軍により滅ぼされ、王都は今や廃墟と化している。国民の数も著しく減ったため復興もままならず、スフォルツェンドも先のドラムとの戦いもあって、なかなかそれを支援できないでいるのが現状だ。
つまり、今は国としては機能しておらず、魔族にとっては最早用済みの場所だともいえる。そんな場所に兵力を結集するとは、何故…?
「…何だか凄く、嫌な予感がするわね…」
一連の報告にエルは眉根を寄せる。やはりこの超獣軍との小競り合いも、魔界軍の何らかの作戦だったのか。だとするとそれにまんまと乗ってしまったことになる。
超獣軍が退いた今、魔法兵団のほとんどをこの国境外に配備する理由も無くなった。必要な数だけ残し本軍はスフォルツェンドに帰国するべきか、それとも用心してもう少しここに留まるべきか。
「とりあえずホルン様やクラーリィに報告して、指示を仰ぎましょう」
エルのこの一言に軍幹部達が頷く。事こうなってはこちらの一存だけでは決められない。スフォルツェンド国内の事が気になるというのもある。
ひとまず軍備は解かないままにすることにし、エルは本国連絡用の水晶に念じた。水晶が薄淡く光り、徐々に光景が映し出される…。
「!!?」
そしてそこに浮かび上がったものに、一同は再び驚愕することになる。水晶に映し出されたのは、炎上するスフォルツェンドの町並みと、倒壊する王城、そしてその破壊を引き起こしている巨大な肉玉状の魔族の姿だった。
「なっ…何てことだー! スフォルツェンドの町が!!」
「ドラムに破壊された町が…やっと立ち直り始めてきたばかりだというのに…!」
「何という恐ろしい魔族の出で立ち…! ホルン様はご無事なのか!? それにクラーリィ隊長は!?」
様々な声が一同の口から次々に上がる。こちらが超獣軍と交戦している間に、本国はこんなピンチに陥っていたのか。
荘厳な王城と立ち並ぶ程の大きさをした肉玉の魔族は、牙を並べた口を体中のあちこちに有する、というおぞましい姿だった。中心の巨大な顔は醜悪な笑みを浮かべている。
金の髪を持つその顔に、何かどっかで見覚えあるな〜…と妙な既視感も感じつつ、しかしエルはハッと「…もしかして、これが魔族の真の狙い!?」と思い当たる。
「…見ろ! 怪物の左手を!」
「あ、あれはホルン様ー!!」
兵士達がその事実に気付き、また一同にどよめきが走る。そう、魔族はこともあろうに、女王ホルンを人質にしていた。これでは魔法兵団も迂闊に手は出せない。魔法兵団が身動きが取れない間に、魔族はあちこちの口から炎を吐き、スフォルツェンドの町を火の海にしていく。黒煙があちこちから上がり、逃げまどう国民達の声がこちらにまで届いてくる…。
「何てこと…! 一刻も早く、本国への加勢に行かないと…!」
「いえ、待って下さいエル様! クラーリィ隊長が…!」
動きかけたエルを一人の兵士が制する。見れば、水晶の中にはクラーリィが映っていた。何やら涙を浮かべた悲壮な顔で、魔族に飛びかかっていく。魔族の方は待ってましたとばかりの愉悦の混じった顔で、クラーリィに相対している。
クラーリィの法力弾が魔族の体に撃ち込まれる。しかし魔族の方はその巨体もあってか大して堪えた様子も無く、中央の口から炎を吐き出しクラーリィに浴びせようとする。
ドラム戦もかくや、の息も吐かせぬ攻防。クラーリィは良く戦っている、しかし本国の状態を考えれば、ここにいる魔法兵団をそれなりに帰還させた方がここは賢明だろう。
今のこの状況では、ホルンやクラーリィと直接連絡は取れそうにない。こちらの独断、という形になってしまうが仕方ない。
エルと幹部達は素早く軍議を開き、今後の方針を決める。念のために兵団の六割をここ残し、残りの四割は本国へと帰還。国境外の総括者は一度別の者が引き継ぎ、エルは報告とクラーリィらの加勢のためいち早く本国へと戻ること。そうこうしている間にも、水晶の中で肉玉の魔族は暴れ回っている。
「…それじゃあ、私は先に本国へと戻るから、あとの事はよろしく頼むわね」
「はい、エル様」
エルは長い髪を結び直す。超獣軍が本当に退却したのなら、国境付近はとりあえず落ち着いただろう。今の大きな問題は本国の方にある。
事後処理に結局はそれなりに時間がかかってしまったが、こちらの事は後は残る者に任せることにする。色々と懸念材料はあるが、今はまずホルンを助け出し、スフォルツェンド中の戦いを鎮静化させることだ。
エルは転移魔法を唱え、己の法力を体の周囲に纏わせる。足元に魔法陣が展開し、異空間を通ってエルは数秒の間にスフォルツェンドへと戻っていた。
「! ……町が……」
スフォルツェンド本国に到着するや否や目に移った風景に、エルは苦い顔になった。無残に崩れ落ちた街並み、そしてあちこちから上がる炎…。魔法兵団が協力して市民の救助活動や消火活動に当たっている姿も見えた。
そうだあの怪物は、とエルはすぐに巨大な魔族の姿を探したが、スフォルツェンドの空のどこにも見当たらない。あれだけ大きければ、ここならばすぐに見えるだろうに。
―――と、兵士達に運ばれる負傷したクラーリィの姿が見えた。エルは慌ててそちらに駆け寄る。クラーリィの法衣のあちこちには血が滲んでいた。どうやら相当の深手を負ったようだ。
「大丈夫!? クラーリィ! 恐ろしい巨大な魔族と戦っていたようだったけど…!」
「エル様…!」
クラーリィは今この場にエルがいることに驚いた様子だったが、何故かすぐに目に涙を浮かべて熱く語り出した。
「御心配おかけしました…でも、もう大丈夫です! あの魔族は、コルネットだったんです!!」
「…はい?」
いきなりの発言にエルは目が点になる。
「コルは…コルは悪い魔族に身と心を奪われ…操られていたんです……それでスフォルツェンドをこんな風に……でも、でももう大丈夫です…! 俺の祈りはきっと天に通じたんだ…! コルは無事に元の姿に戻り…それどころか一層神々しく…」
「………??」
熱く語るクラーリィには悪いが、エルは話に全く付いていけなかった。
一体、何がどうしてそうなった。一体何があったんだスフォルツェンド。
「クラーリィが言っているのは、まぁ大体本当の話よ…」
「ホ、ホルン様…」
病院に運ばれていくクラーリィを見送ったのと入れ違いに、ホルンとパーカスがエルの下へと現れた。ホルンは疲れ切った顔をしてはいるが、見たところ大きな怪我はなさそうだ。
エルは姿勢を正し、ホルンに向き直る。
「ホルン様…ご無事で何よりです」
「あなたこそ、エル。国境外の守備、御苦労様でした」
ホルンは穏やかに微笑みエルを労う。しかし俄かに鋭い顔になると、
「ですが、あなたがここに戻ってきたということは…何か、国境外に大きな動きでも?」
「はい…交戦していた超獣軍が、急に全軍撤退していきました。このところの膠着状態も含めて不自然で…それを報告しようと思った矢先に、本国のこの状況を知ったものですから、」
「あなただけ先に戻って来たのですね…」
エルは頷いた。
重々しい顔つきをしていたホルンは、ふう、とこれまた長い息を吐いた。
「けれどそれは幸いだったかもしれません…先程の事を含め、短期間の間に色々なことがありました。それに、勇者ハーメル一行の身にも……。事態は逼迫しています。あなたに伝えなければならないことも山程あるわ」
深刻そうな空気を漂わせるホルンとパーカスの様子に、エルは己の感じ取った悪い予感がどうやら当たっていそうなことを確信する。
ひとまず互いの状況を話し合い、整理するためにも、ホルンやエルはスフォルツェンド城内の本部へと場を移すことにした。
次章へ
いよいよヴォーカル編です。
ベース登場までなかなか長いですが、原作のホルン様の台詞に「魔法兵団は国境で超獣軍と交戦中」…とあったので、そのあたりを膨らませてみました。
そのおかげでこの章で数巻分、話が進みました(笑)
結構前に書いていたのですが、忙しかったり推敲してたりでアップまで間が開いてしまいました…。
2014,4,12
初稿:2013,1,14
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