―序章:遠い記憶―







今でも鮮やかに思い出せる赤い記憶。



激しい怒りと悲しみと、醜い憎悪に支配され、すべてを失くしたあの日。









「一緒に、行こうよ」









それでも、その言葉と笑顔だけが。






私にとっては、たった一つの救いのように思えたのだった。














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