パニック in the バスルーム
ナショナルトレセンでの三日目の夜。
三日目ともなれば、大分慣れたJヴィレッジの施設内、廊下を歩く二つの影がある。
「・・・本当に行くのか?」
「行くってば! もう、しつこいな」
お風呂セットを持ってスタスタと歩いているのは翼。その後ろを、同じく風呂の用意をした竜也が追いかけている。
一目瞭然で、二人が風呂に行こうとしているのが分かるが、どうして竜也が翼を引き止めているのかというと。
「今の時間じゃ、絶対混んでるって!」
「いーよ別に。汗がベタベタして気持ち悪くって。早く風呂入ってさっぱりしたいんだよ!」
竜也の言葉に聞く耳を持たず、翼はなおも足を速める。竜也は溜息を付いた。
別に風呂に入るのが悪いと言っているのではない。竜也だって、早く汗を流したいのは山々なのだ。
しかし、風呂に集うメンバーが問題なのである。今は、各チームが練習を終えて少しした時間、つまり竜也が言ったように風呂場が混雑しているであろう時間帯。その中に、元々多かったものの、この合宿でさらに崇拝者を増やしたナショナルトレセンの華、翼が入り込めば・・・・・・どうなるかは容易に想像がつく。
竜也と翼が実は付き合っているということを、各地域選抜メンバーはもちろん、東京都選抜メンバーすら知らない。翼が皆に知られることを拒むからだ。そのために、翼の美貌に際限なく誰もがやられ、彼を狙う輩は増える一方。
翼は大して気にも留めていない(というか気付いてもいない)ようなのだが、竜也としては気が気じゃない。
まして、今回の場合、ロケーションはよりによって風呂!!
争いはヒートアップするに違いない・・・。
そのことが竜也を悩ませていたのだが、問題はもう一つ。
(翼の裸を、他の奴に見せてたまるかっ!)
黒いオーラが出るくらいの勢いで竜也は思う。
そう、男の独占欲というものだろうか、竜也はできることなら翼の裸体を他の者に見られたくなかった。練習時、いつも着替えを共にする都選抜メンバーや飛葉中勢はともかくとして。
それに、全国から集まったメンツに翼の肢体が見られたら、彼らはますます惹かれてしまうに違いない。
どうしようか・・・とそうこう考えているうちに、いつの間にか二人は大浴場に着いていた。前にいる翼が引き戸を開ける。
ガラリ。
中の様子を見た竜也は愕然とした。案の定、そこにはたくさんの少年達。おまけに、東京をはじめ、関東、九州、東北、関西、東海、その他もろもろと様々な地域選抜が集まっている。
(最悪だ・・・)
竜也はげんなりとして肩を落とした。
一方、翼はというと、スリッパを脱ぎ、さっさと中に入っていってしまう。翼が来たことが分かると、脱衣所にいた皆の目が変わった。
すぐさま翼に近付いたのは将。お得意のカザスマイルでにこやかに話しかける。人畜無害そうに見えて、実は虎視眈々と翼を狙ってるのだから侮れない。
「あ、翼さんv」
「よ、将。今から入るとこ?」
「そうですよ。あ、そうだ、どうせなら一緒に入りません?」
(おい、風祭っ! それは俺のセリフだ〜〜〜!!)
将の言葉に対して、竜也は心の中で抗議する。何故心の中かというと、あっという間に翼を遠巻きに囲んだ人垣に阻まれて、彼らの元へ行けないからなのだが。
しかし、翼と一緒に風呂に入りたい・・・・・それは、この場にいる者全員の共通の思いだったろう。
「ずりーぞ、風祭! 俺も椎名と一緒に入る♪」
後ろから翼に抱きつきながら藤代が言う。
「わああっ! 暑苦しいっ、抱きつくな!!」
「こら、椎名が困っているだろう。やめないか藤代」
静かに言いながら、力強く藤代を引き剥がしたのは渋沢。
藤代から解放された翼は、ふうっと息を漏らす。
「・・・ったく、一緒に入るも何も、大浴場なんだからみんな一緒だろーが」
「そうなんですけど・・・」
と将が苦笑いを浮かべる横で、翼はシャツを脱ぎ始めた。途端、皆の目が翼に集中する。服を脱いでいく翼の一挙一動を唾を飲んで見守っている感じである。かなりの大人数の目が一人の少年に釘付けになっているこの図は何だかスゴイ。
と、その視線に気付いた翼が、呆れたように呟いた。
「あのなぁ・・・男の着替えなんか見ててもつまんねーだろ! 入浴時間は限られてんだから、早く着替えろよな」
その言葉に促されて、皆(仕方なく)いそいそと着替えを再開するが、それでも時々翼の姿を盗み見するのを忘れない。
翼はもう服を全部脱ぎ終えて、今は腰にタオルを巻いただけの姿になっていた。白く滑らかな肌が惜しみもなく晒されている。
(眩しい・・・)
誰もがそう思った。
「椎名の肌って綺麗だね」
皆の思いを代弁したのは郭。間近で見るとさらに良く分かるが、翼の肌はとてもきめ細かいのである。
「そう?」
と、自分の腕を見る翼。すると、
「そうですよ〜こんなにスベスベしてるし・・・v」
「うわぁあ!!」
さり気に側に来ていた杉原が翼の二の腕を撫でた。突然のこの行動に、翼は声を荒げる。
「何すんだよ、杉原!」
「いや、キレーだなと思ってv 椎名さんって、本当男には思えませんよね」
「・・・お前だって人のこと言えないだろ・・・」
飄々としたままの杉原に翼は脱力する。おそらく彼もマシンガントークが効かない人種である。
と、ここで郭が二人の間に入った。
「ちょっと杉原、なれなれしく椎名に触らないでくれる?」
「それを言うなら、ぼくは君が椎名さんに近付くだけでも嫌なんだよね」
「言ってくれるね・・・」
郭と杉原、両者の間に険悪なムードが流れ始める。
「・・・おい、止めないの?」
「いーからいーからv あの二人が仲悪いのはいつものことだし」
「い、今のうちに入っちゃおうぜ」
その隙に、漁夫の利で若菜と真田が翼を浴場に連れて行く。
他の者も次々に続く。
(絶対こうなると思ってたんだよ・・・)
要領の悪い男、竜也も内心血の涙を流しながら後を追う。
大浴場は結構広い。湯気で少し視界が悪いものの、湯船の中に数人、壁に備え付けられているシャワーで髪や体を洗っている者が数人いるのが分かる。そのうちの何人かが翼が入ってきたのに気付いた。
「おっ、姫さんやん」
「あ、ホンマや」
早速翼のところへやって来たのは関西のFW二人、成樹と光徳。翼を輪から連れ出して話しかける。
「姫さん、今日は仰山運動して疲れたやろ。背中流したるわ」
そういって、成樹が翼の肩に手を掛けようとした。が、
「触るな、シゲ」
やっと追いついた竜也がその手を払った。成樹は不満げな表情を竜也に向ける。
「何すんねん、タツボン」
「関西の奴が椎名に手を出すなんて図々しいんだよ、関西の奴が!!」
(タツボン、俺が何も言わんで関西行ったの根に持っとるな・・・)
「ケンカしとる奴らは放っといて、姫さんはぼくと背中流しっこしよ♪」
二人がそんなやり取りをしている間に、ちゃっかり光徳が翼を引っ張っていく。
「え、でも・・・」
翼は振り向いて、未だに何やら言い争いをしている竜也と成樹を見る。やっぱり竜也が心配なのだ。
しかし翼に構わず、光徳は彼をシャワーのところまで連れてきてしまった。そして、備え付けのスポンジにたっぷりとボディーソープをつけて、翼の背中を洗い始める。流石の翼もちょっと焦った。
「ちょっ・・・自分で洗えるって!」
「気にせんでええねん、ぼくが洗いたいんやもんv」
「―――って、こら、ノリック! 何抜け駆けしてんねん!!」
「つ・・・椎名に触れるなっ!!」
ようやく光徳の行動に気付いて止めに行く二人。竜也はさっと翼を取り返した。
「何やねんタツボン、さっきから」
「せや! あんた姫さんの何やねん。ただのチームメイトやろ?」
成樹と光徳が竜也に文句を言う。竜也は、皆の翼に対する傍若無人な態度にかなりイラついていたので、いっそ何もかもバラしてやろうかと、
「俺は・・・翼の、」
ゲシッ!
言いかけたところで、翼の強烈な蹴りが竜也の脛に入った。痛みをこらえつつ翼を見ると、彼は「言うなよ」と目で訴えてくる。竜也は黙り込むしかない。
「・・・・・・。」
「べ・つ・に、何でもないよな〜水野?」
明らかに作った満面の笑みで、翼が竜也に問いかけてくる。こうなってしまうと翼には逆らえないので、
「・・・そうだな」
と、竜也はムスッとしながらも答えた。
「じゃあ、タツボンが口出しすることないやろ? 恋愛は自由なんや」
「まったくや!」
(ちっくしょ〜〜〜・・・)
自信たっぷりに笑う二人に、竜也は拳を握り締めてじっと耐える。もちろん、こめかみにはたくさんの怒りマークが浮かぶ勢いで。
そうこうしている内に、いつの間にか翼は掻っ攫われていた。
犯人は、関東の須釜と、東海の山口。
翼は怪訝な目を二人に向ける。
「おい・・・?」
「いつまでも泡だらけでいるわけには行かないでしょー、椎名くんv」
「そうそう、流さなくちゃな」
で、またもシャワーのところへ翼は連れて行かれた。
「♪」
楽しそうに鼻歌を歌いながら、翼の泡をシャワーで流していく須釜。反対に、翼は眉をしかめている。
「・・・あのさ・・・人の体ベタベタ触りながらシャワー流すのやめてくれる・・・?」
「そーだぞ、スガ。椎名が迷惑してるだろ」
ここぞとばかり、山口が翼の窮地を救うが、本心は、
(一人だけズルイっつの!)
というものだったりする。
とりあえず、体の泡も流し終わったので、翼は髪を洗うことした。シャンプーで念入りに洗い、やはりシャワーでその泡を流す。
髪をかき上げる仕草や、それによって覗くうなじに、皆釘付けになっていた。
と、翼が困ったような表情になる。
「あ、やべー、リンス部屋に忘れてきちゃったな・・・」
小さくそう漏らすと、横からさっとリンスを持った手が伸びてきた。
サンキュ、と例を言おうと振り向くと、そこには今日の午後試合をした、東北選抜の阿部達がいた。
(・・・げ)
翼は内心そう思う。東北戦での嫌な思い出が頭をよぎる。途中で立ち直れたものの、やはり阿部に関してはいい感情を持っていない。
(どうしよ・・・差し出されたんなら受け取るのが筋だけど・・・)
受け取るか否か躊躇していると、不意に阿部の顔が情けない顔になった。
「へ?」
と、翼は思わず拍子抜けする。
「雄大くん〜やっぱ駄目だよ〜」
べそをかいて、阿部は後ろにいた坂井に泣きついた。
「俺やっぱり嫌われてるって〜!」
「泣ぐな! まだそうと決まったわけじゃねぇべ!」
おいおいと泣いている阿部を、翼は
(こいつ・・・本当にあの東北の11番か・・・?)
と、昼間とのギャップの違いに呆然としていた。
坂井の隣には日生もいて、目を丸くしたままの翼に説明を始める。
「あのさ、いきなりでびっくりしたかもしれないけど、こいつ、試合の時色々とあんたにひどいことしちゃっただろ? だから、謝りたいんだってさ」
「4番を崩せって作戦出したのは俺だべ。だから小太郎だけが悪ぃわけじゃねかったんだ」
と、坂井も助け舟を出す。
翼はまだちょっと驚いたままで、それでも未だに泣いたままの阿部を見て、ふっと笑った。
「わかったよ。一番巧いDFを潰すのは当然の作戦だろ。それに俺がまんまとはまっただけしな」
今度は少し自嘲気味に笑う。そんな翼を見て、恐る恐る阿部は問いかけた。
「じゃあ、俺のこと嫌ってるわけじゃないんだな・・・?」
「・・・まあ、ね。身体能力の違いに対してのコンプレックスはあるけどね」
それでも、今の阿部の姿を見たら、わだかまりはほとんど無くなってしまったように思える。ふっと笑うと、阿部も笑顔になって、再び翼にリンスを差し出してきた。
「そっか〜良かっただ! あ、これリンス、使っていいべ。光っくんのだけどな」
「サンキュ」
今度は翼はそれを受け取って、髪にリンスを付け始めた。その様子を、東北勢は小声で話しながら見つめている。
「まったく、雄大くんがあんな作戦出すから、俺らマイナスイメージからのスタートだべ」
「いっ、いいでねぇか、仲直りできたんだし」
「そうそう。これから頑張ればいいんだよ♪ 小鉄は椎名にはそーゆー興味ないみたいだしな」
彼らが話をしているうちに、翼はリンスも流していた。髪に残る水を絞っていると、後ろから大きな影が近付いてきた。その気配に翼は振り返る。
「お前・・・確か九州の」
「高山昭栄、昭栄でいいたいv」
(こいつが将が言ってた奴か・・・)
翼は高山の顔をじっと見る。高山の話は以前将に聞いていた。ただ、今の今まで顔と名前が一致しなかったが。
突然、高山が恥らう様子を見せた。
「そんなに見つめられっと、バリ照れるやんかv」
「・・・は?」
翼は怪訝な顔をしたが、高山は馴れ馴れしく彼の手を取った。
「あんなぁ、うちのチームの奴らが、みんな椎名に会いたがっとるっちゃ。風呂出たら部屋に来んか?」
すると、横からしばらく無視されていた須釜が割り込んでくる。
「何言ってんのー君達は明日試合あるでしょ! 椎名くんはうちの試合では控えだったでしょー? だからみんな君と話したがっててv」
「関東はひっこんでろや! 俺らの部屋さ来て欲しいだ。詫びの意味も兼ねてな。歓迎するべ!」
東北勢も負けてはいない。
「関東も東北も今日試合しただろ! うちなんか都選抜と全然係われなかったんだ、ぜひ東海部屋に」
山口も強く主張する。
「え〜っと・・・」
どうしたものかと椎名が困っていると、渋沢をはじめとする都選抜メンバーが現れた。
「悪いが、入浴後はミーティングをしようと思ってるんだ。ちょっと遠慮してくれないか?」
「そーそー! 椎名はあんたらの部屋に行ってるほど暇じゃないの! うちのチームのDFの要なんだから」
渋沢に続き藤代も駄目押しする。他選抜の面々が言葉に詰まっている隙に、
「翼さん、湯船に入っちゃいましょーよv」
「いまのうちに入ってしまうのが得策だと思うぞ」
「そう・・・だな」
将と不破に連れられて、翼は湯船へ。
翼が湯に浸かるやいなや、「俺も×2」とどんどん湯船に人が入っていく。入り過ぎて浴槽からお湯がどばどば溢れる有様である。
翼達三人を囲むように男共が密集しているため、湯気とも相まって非常に暑苦しい。
(・・・ムサイ・・・・・)
何とか浴槽には入れたものの、あまりの熱気についそう思う竜也だった。
そのまましばらく皆で湯に浸かっていのたが。
「? 翼さん、どうかしたんですか?」
ふと、将が翼の異変に気付く。言葉が少なめになり、気分も悪そうである。
「顔が真っ赤だぞ」
と不破も言う。
「ん・・・なんか熱い・・・頭クラクラする・・・」
翼はそう言うと、頭を押さえて苦しそうに目を閉じた。翼の一大事に誰もが慌てたが、
「翼っ!」
多くの人を掻き分け、いち早く翼の元へ行ったのは竜也だった。心底心配そうに、翼の肩を支えると、その大きな瞳が開いた。どこかとろんとした目で竜也を見上げてくる。
「竜也ぁ・・・」
「のぼせたんだな・・・早く休まないと」
竜也は翼を俗に言う”お姫様抱き”で抱き上げると、そのまま脱衣所まで運んで行ってしまった。
あまりのことに固まる一同。皆はかなりの間、思考回路がまともに働かなかった。
「何だ・・・今の・・・」
誰かが呟くと、全員がハッと我に返った。
「水野の奴、抜け駆けしやがった!」
悔しそうに声を上げたのは鳴海。それに続き、次々に言葉が浴場に響く。
「ヘタレのくせに・・・」
「おいしいとこ取りしやがって!」
「あんな奴に椎名は渡さねーぞ!」
幸か不幸か、一同は二人の関係には気付かずに、怒りに燃えた・・・。
風呂から出た後、ちゃっちゃと翼を着替えさせた竜也は、自分も着替えると、彼を彼の部屋まで運んだ。
翼をベッドに寝かせ、冷たいタオルを額に乗せてやり、どこからか調達してきたうちわで彼を扇ぐ。
そのおかげで幾らか回復してきた翼は、まだ少し気だるそうに竜也に言う。
「悪いな・・・迷惑かけて」
「気にするなよ。今日は東北戦で色々あったからな・・・その疲れが出たんだろ。ミーティングまでまだ時間があるし、ゆっくり休んでろよ」
「ん・・・」
微笑む翼。竜也の優しさが嬉しいのである。
「・・・明日はさ」
「ん?」
ぽつりと言った翼に竜也は聞き返す。
「風呂、もう少し後の時間にするよ・・・今日みたいに色んな奴に絡まれちゃ、ゆっくり風呂にも入ってられないからな」
「そうだな」
竜也もふっと笑う。
「今みたいにまた倒れでもしたら・・・心配で仕方ないし」
そういうと、竜也は翼にそっとキスを落とす。温かい唇を何度か啄んで。
顔を離すと、間近で二人の視線がぶつかった。
「翼・・・」
竜也は優しく囁きかけて翼の頬へ手を伸ばした。翼も、竜也の手に触れようとする。
と、そこへ。
「翼っ、大丈夫かっ!!」
バン、と勢いよくドアを開けて、黒川が飛び込んできた。
同じく勢い良く、竜也と翼の二人も身を離す。
「黒川・・・どうしたんだ?」
いい雰囲気のところを邪魔されて、かなりご立腹な竜也。浮かべた笑みが引きつりまくっている。
「翼が倒れたって、さっきまで風呂に入ってた連中から聞いて・・・」
(ちっ、余計なことを・・・)
と竜也は毒吐いた。
翼は力無い笑みを浮かべて黒川に言う。
「大丈夫、大したこと無いよ。竜・・・水野が看病してくれたからね」
翼の言葉に黒川は安堵したような顔になる。
「そうか、良かった。あ、そーだ翼、喉渇いてねーか?」
「ああ、少し」
「そう言うと思って、自販機でポカリ買ってきた」
「マジで? サンキュー♪」
身を起こし、美味しそうに飲み始める翼。黒川は、目だけで水野の方を見て、勝ち誇ったように口の端を吊り上げた。
(! こいつ・・・)
直球で来るほかのライバル達より、こっちの方がよっぽど手強い。
改めて、黒川は要注意人物だと、認識する竜也だった。
<END>
2000ヒットキリリク小説、梧ヒスイさんのリクで、「水翼前提で翼総受け」でした。
少しでもお楽しみいただけたでしょうか?
攻キャラ、多っ!!(笑) 書いてて大変だったけど、楽しかったです。でも、マイナーキャラ多すぎ(爆)
あんまり水翼なシーンなくてすみません〜(汗)
