<第六章:Profile>


障子を抜けて差し込む柔らかな月明かりの中、聖は目を覚ました。
ゆっくりと身を起こし、何度か瞬きをする。見回すと、それぞれにあてがわれた布団の中で、静かに寝息を立てている弥彦、宗次郎、左之助の姿がぼんやりと見えた。
聖は、ふ、と笑って息を吐いた。
ここは、新座村の村長宅の座敷だ。
捕らわれていた村人達を助け出したあの後、村に戻ってみたら手厚い歓迎を受け、大したもてなしはできないが、ぜひ礼をさせてくれ、と村長が聖達を引き止めて、一夜の宿を提供してくれたのだ。
温かい人達だな、と思った。いなくなった人達を取り戻して、そのことを涙を流して感激され、何度ありがとうと言われたか知れない。嬉しそうな彼らの笑顔を見ていると、力になれて、本当に良かったと思える。
―――こんな、記憶も無い、不安定な自分が―――。
少しずつ思い出していけばいい。みんなは言う。自分でもそう思う。
けれど、じわじわと、内から染み出てくる不安。こうして一人で考えに沈んでいると、溢れて止まないたくさんの疑問符。
本当の自分は、誰? みんなと出会う前は、何をしていた? どうして記憶を失った?
この先、もしも、何も思い出せなかったら?
もしも思い出せたとしても、その時、今の自分は自分でいられるのか・・・・・。
「・・・・・・・」
聖は軽く笑みを漏らして首を振った。
確かに気にはなるけれど、今はそんなことを考えている場合じゃない。
大丈夫。多分。きっと。
すぐでなくても、記憶は取り戻せるはず。
みんなと一緒にいれば、こうして大勢の人と関わっていけば。
そして、根津や、百鬼達・・・・彼らが何の目的で動いているのかは分からない、それでも、こうして追って行けばどこかで何かが掴めるのではないのかと。・・・そんな気がする。もっとも、ただの勘でしかないのだけれど。でも、そうであって欲しい。
けれどとにかく、今は、逃した百鬼達の動向が気がかりだ。
「・・・どうした聖、眠れねェのか」
いきなり声をかけられ、聖はギョッとした。深く考え込んでいたところだったので尚更だ。
どきどきどき、と勝手に焦る心臓の辺りを押さえながら振り向くと、自分と同じように身を起こしている左之助が目に入った。
「さ、左之さん・・・・起きてたんだ・・・」
「いや、今起きたんでぇ」
ふわぁ、と大きな欠伸をしながら左之助が答える。
「そういう聖こそ、何で起きてんだ?」
「いや、ぼくは、ふと目を覚ましちゃって。あはは・・・」
乾いた笑い。そしてしばしの沈黙。聖が何を言おうか言いあぐねていると、左之助が先に口を開いた。
「あいつら・・・・鬼婆のふりまでして、何企んでやがったんだろうな」
「それはぼくも気になって。多分、あの人達も、根津の仲間なんだろうけど・・・・」
「まぁ何にしても、この平和をぶち壊す奴は、俺は絶対ェに止めてみせるぜ。―――この、悪一文字にかけてな」
毅然とした口調だった。静かな闘志のこもった言葉だった。
(悪一文字、か・・・・)
聖は、左之助が背負う悪一文字の意味を知らない。気にならないと言えば嘘になるが、詮索する気は無かった。何か、きっと、彼がその文字を背に負うのには、理由があるのだろうけれど。もし、それが辛い思い出に繋がっていたら―――そう思うと、訊きたいとは思えないのだ。
しかし。
「―――お前ェも、剣心みてーにお人好しなんだな」
「え?」
脈絡の無い言葉に、聖はきょとんとする。
「本当は訊きたいんだろ? 俺が何で悪一文字を背負ってるのかって」
「えっと、それは・・・・」
「俺のこと考えて訊かずにいてくれたんだろ。ありがとな」
左之助は笑みを浮かべた。優しげな、そして、どこな寂しげな。
次の瞬間にはもう、いつもの力強い笑顔に戻っていたが。
「まぁでも、別に隠すことじゃねーんだ。俺が悪一文字を外さないのは、赤報隊のためさ」
「セキホウタイ・・・?」
聞き慣れぬ言葉に聖が首を傾げる。左之助は今度は苦笑して、
「知らなくても無理ねーか。十年以上前のことだし」
記憶も失っているんだし、という言葉は、思っても口には出さなかった。
「維新の時、俺達赤報隊は、四民平等の先駆けとして動いてたんだ」
懐かしそうに目を細めながら、左之助は語りだした。
「けど、赤報隊は、偽官軍の汚名を着せられて、新政府の奴らに切り捨てられた。悪一文字を背負わされてな。
・・・だから俺は背負い続けてんだ。赤報隊の、相楽隊長の、新時代への思いを忘れねぇために」
「そう・・・だったんだ・・・」
聖の思った通り、左之助が悪一文字を背負うのには理由があり、重い過去があった。
そして信念も・・・・彼はその信念を貫くために、これからもずっと背負い続けるのだろう。そしてそれが、多分、きっと彼の強さに繋がっている。
「悪ぃな、しんみりさせちまって」
「いや、別にそんな・・・聞かせてくれて、ありがとう」
礼を言うのなんて変かもしれないけど、と聖は続けた。
「ホント、お人好しだな。礼なんかいいって。
さてっと、そんじゃあまた寝るとすっか。朝になったら、百鬼達を探しに出発すんだからな」
気風のいい物言いに、聖は頷きかけた。
その時だった。
「キャ―――――――――ッ!」
暗闇を引き裂くような女性の悲鳴。
弥彦と宗次郎も飛び起きるほど、その声は鋭かった。
「な、何だぁ?」
「悲鳴、ですねぇ」
二人はすでに起きていた聖と左之助と顔を見合わせる。
「向こうは朝まで待ってくれなかったみてーだな」
「行ってみよう!」
四人は寝巻きのまま部屋を飛び出した。勿論、武器を手に取ることは忘れない(もっとも、左之助は徒手空拳で戦うためそれは不要だったが)。
廊下を早足で歩いていると、別室で寝ていた薫も竹刀を手に出てきて、聖達と合流した。
「悲鳴が聞こえたわ。何なのかしら」
「わかんねぇ、とにかく行ってみようぜ!」
四人は屋敷を出、先程声が聞こえたと思われる方向へ進んでいく。あれだけ大きな悲鳴が聞こえたのにも関わらず、月夜の薄暗い空の下、村中はしんとしていた。聖達のように外に出てきている村人の姿は無い。もしかしたら、聞こえはしたものの、恐ろしくて家に閉じこもっているのかもしれない。
村の入り口の近くまで来たところで、聖は足を止めた。
誰かが、いる。人影は三つ。どうやら、そのうちの二つは、百鬼と小糸であるらしかった。
向こうも聖達に気が付いたようで、百鬼が勇んで大柄な人影に告げた。
「穴山様、奴らが来ました!」
穴山、と呼ばれた男は、ずん、と一歩前に進み出た。聖達を見ると、山なりに弧を描いている眉毛が、ぴくりと動いた。
「何だと? お前、あんなガキどもに負けたってえのか」
「は、はぁ・・・」
百鬼が、バツが悪そうに曖昧な返事をする。
「まあいい。とにかく、この俺が来たからにはもう邪魔はさせねぇ。大義のために死んでもらうぜ!」
低く、威勢のいい声が辺りに響く。その言葉を受け、左之助と弥彦が不敵に笑んだ。
「へっ、面白ぇじゃねぇか」
「やれるもんならやってみろ!」
互いに武器を構える。と、その時、穴山の後ろから、村人風の男が一人、ふらっと姿を現した。
「た、助けてくれぇ、オ、オイラは関係ないんだ」
それに気付き、弥彦はいち早くその男に駆け寄った。穴山から遠ざけ、聖達の所へ誘導しようとする。
「よし、こっちに、・・・・!?」
痛みが走った。脇腹を、男が持っていた短刀が掠っていた。
よくよく見ると、男の目は虚ろだった。そう、あの、東京で暴れていた人達みたいに。役目を果たしたその男は、糸が切れた操り人形のように、どさりと倒れこんだ。
はめられた、と弥彦が気付いた時には、彼はもう、地面に崩おれていた。
(変だ・・・・傷はそんな痛くねェのに、体が痺れる・・・苦しい・・・・)
体を襲う違和感に、弥彦はふとある事を思い出した。蒼紫率いるお庭番衆との闘い、その中で、自分が毒を喰らって倒れた時の事を。
今の状態は、あの時にとてもよく似ていた。
(まさか、これは毒・・・?)
段々と、意識が朦朧としてくる。
(チク・・・ショウ・・・・・)
穴山を見上げる。悔しかった。
「弥彦っ!?」
薫が悲鳴に近い声を上げる。弥彦に駆け寄る聖達を、穴山は見下すように豪快に笑っていた。
「ウワーッハハハ! そいつは、俺が操ってたんだ。お前らみたいに正義感ぶる奴は、こんな手にすぐに引っかかりやがる。ウワーッハハハ!」
「てめぇ!」
穴山に向かっていこうとする左之助の袖を、薫が掴んで止めた。
「今はそれどころじゃないわ! 弥彦を助けなきゃ!」
「そうそう、そのお嬢ちゃんの言う通りだ」
穴山は左之助を押し退け、苦しそうな表情の弥彦の胸倉を掴んだ。
「まぁ、このボウズが死んでもいいって言うんなら、今相手をしてやってもいいが?」
穴山はクッと笑うと、弥彦を薫に突き返した。投げ出された弥彦を、薫は慌てて受け止める。今にも泣きそうな顔の薫。わなわなと拳を握り締めている左之助。穏やかな表情でありながら、けれど笑みの消えている宗次郎。
聖にも、込み上げてくる感情があった。
「村の人達をさらって、操って・・・・揚句、こんな騙まし討ちみたいな真似をして・・・・・どうして、どうしてこんなことを!」
キッと穴山を睨みつける。年相応でないその鋭い眼差しに、思わず穴山は圧倒されそうになる。
が、立場的に有利なのは自分達なのだ。何を恐れる必要がある。穴山は強気に言い放った。
「はっ、何とでも言うがいいさ。さぁて、邪魔者がいなくなったところで、俺達はゆっくり仕事させてもらうぜ」
そのまま踵を返し、穴山達三人は、村の外へ去っていった。
やるせない思いで、それを見送るしかない聖達。うう、という弥彦の呻き声で、はっと我に返った。
「弥彦を助けなきゃ・・・一旦、村長さんのお宅へ戻りましょう」
「そうだな」
左之助が弥彦を担ぎ上げ、そのまま一行は村長の屋敷に戻った。








聖達が出て行った騒がしさで目を覚まし、心配して家の外で待っていた村長は、弥彦を担いで戻ってきた一行を見て、仰天していた。
とりあえず奥の間の布団に寝かせ、弥彦の傷を診る。ありがたいことに、村長は昔、医者をしていたらしかった。手際よく治療し、けれど、あることに気付き、愕然とする。
「これはいかん。傷自体は大したことないのじゃが、刃に毒が塗ってあったらしいのう」
「そんな・・・弥彦は、弥彦はどうなるんですか?」
「このままでは危ないのう」
それを聞いて、薫の顔が一層青ざめる。すかさず聖が尋ねた。
「何か、助ける方法は?」
「ううむ・・・わしも、それほど毒に詳しくはないし、この村には他に医術の心得がある者もおらんし・・・・」
村長は難しそうな顔をする。答えを聞いて、聖も困惑するしかなかった。
傷だけならともかく、毒となると、自分達には下手に手を出せそうも無い。
「くそっ、じゃあ恵を連れてくるか?」
左之助の提案に、聖は成程と思った。彼女は医者だ。そして今、左之助がその名前を出したということは、彼女が解毒治療についての知識を持っていることを示唆する。恵を連れてくれば、弥彦を助けてもらえるだろうか?
「でも、解毒治療は時間との戦いだって、前に恵さん言ってたじゃない。その恵さんを連れてくるにしても行って帰って何時間かかるか・・・」
薫は混乱してオロオロと動き回っている。
何か手を打たなければいけない。でも、何をすればいいのか分からない。
複雑な思いが、皆の胸に去来していた。
(でも、何もしないよりは)
やっぱり、恵を連れてくるのが一番確実かもしれない。たとえ時間がかかっても、どちらにせよこのまま手をこまねいていては弥彦は危険なのだ。
布団の中の弥彦を見る。体中に汗を掻いていて、閉じられた瞳は時々苦しげに歪む。息も荒く、こちらからの声かけに、ほとんど何の反応もない。
何としてでも、助けないと。
そう思った聖だったが。
「―――僕が行って来ますよ」
口を開く前に、宗次郎が声を発していた。中性的なその声は、静かだった部屋に凛と通った。
「って、宗次郎、恵ん所に?」
聞き返す左之助に、宗次郎はふるふると首を振った。
「いえ、あの人達・・・・穴山さん達の所に」
「!」
驚く皆に構わず、宗次郎はそのまま言葉を続ける。
「毒を持っていたのがあの人達なら、万が一に備えて、多分解毒薬も持ってるはず。だから、穴山さん達の所に行ってきますよ」
彼の言うことに一理はある。けれど確証はなく、彼自身の身も、また危険だ。もしも彼が、自分一人で行く気であるのならば。
「一人で? いくらなんでも危ないんじゃ・・・」
「やだなぁ。僕の強さは知っているでしょう? 大丈夫ですよ」
「まぁ、お前ェの強さは折り紙つきだが・・・・けど、もしあいつらが解毒薬を持ってなかったらどうするんでぇ?」
「僕には縮地がありますから。その時は、そのまま恵さんを迎えに行きます」
皆の心配に反して、宗次郎はにこっと笑って。屈託のない微笑みは、彼の幼げな顔を、更に子どものように見せる。
左之助は不思議な感じがした。
聖や薫達と違って、左之助は志々雄の下にいた頃の宗次郎を知っている。何の躊躇いもなく、ただ”楽”の感情と弱肉強食の理念に基づき、刃を振るっていた宗次郎を。
何も感じず、笑顔で人を斬れることをそら恐ろしいとさえ思った。それなのに、今の宗次郎は。
剣心との戦いを経た今だからかもしれないが、明らかに違っている。同じように、微笑っていても。
「・・・よし、じゃあお前に任せるぜ」
「左之助、」
いいの?と訊きたげな目で薫が左之助を見上げる。左之助はしっかりと頷いた。
「宗次郎がこうまで言ってるし、それに足の速さなら剣心以上だしな」
「そうね・・・・お願いするわ、宗次郎君。気を付けて」
「ええ。行ってきます」
言いながら立ち上がり、宗次郎は木刀を手にし、静かに襖を開けて出て行く。
「・・・大丈夫かな、宗次郎さん」
心配そうな顔つきの聖の肩に、ぽんと手を置いて左之助は答える。
「大丈夫さ。多分、今の宗次郎なら」
「そうね・・・。宗次郎君を信じて、私達は私達にできることをしましょう。以前、弥彦にした解毒治療を思い出すのよ。湯を沸かして、手ぬぐいを用意して・・・・」
「ぼくも手伝う。教えて、薫さん」
彼の帰りをただ待つだけでなく、自分達にできることをする。
薫の思いに同意し、聖は弥彦への治療に専念することにした。
(何としてでも、助けないと・・・!)








強靭な脚力で、神速を超えた速さで走ることができる体技、縮地。
それ(正確には縮地の一歩手前だが)を駆使して、宗次郎はあっという間にあの鬼婆の谷の小屋へと到着していた。もっとも、中には誰もいなかったが。
(まぁ、一発で当たらないだろうとは思ってたけど)
心の中、宗次郎はぽつりと漏らす。
穴山達の所へ行く、とは言ったものの、彼らの居場所が掴めていた訳ではない。
けれど、”仕事をする”、穴山のその言葉が真実なら、そう遠くには行っていないのではないか。とりあえずはここに一度来てみて、穴山達がいないようなら、村近辺の怪しい場所を虱潰しに回ってみよう。宗次郎はそう考えていた。
それでも、せっかくここに来たので、一応小屋の中を探ってみることにした。開けっ放しの戸から差し込む月明かりを頼りに、中を物色する。
「おい、そこで何をしている!」
怒号が響き、宗次郎は振り向いた。その声と、姿形から察するに、百鬼のようだ。
宗次郎は内心、しめた!と思う。
「ああ、良かった。そっちの方から来てくれるなんて、助かりましたよ」
嬉々として言う宗次郎を、不思議そうに眺める百鬼。けれど宗次郎は、笑みを浮かべたまま、瞳だけは鋭く百鬼を射抜いて。
「時間が無いので短刀直入に訊きます。あの毒の解毒薬はどこですか?」
「ほう・・・仲間を助けるために、か。わざわざご苦労なことだ。だが、簡単には渡せぬな、我らには大義が・・・・」
言いかけた百鬼の口元が歪む。宗次郎が信じられない速さで百鬼の後ろに回り込み、その腕を捕らえ刀を手放させ、残ったもう一方の手で、喉元に木刀を突きつけたからだ。
「御託はいいんです。時間が無いと言ったはずですよ。・・・・解毒薬を渡してください、もしもあなたが持っているならば」
百鬼からは見えなかったが、今の宗次郎の顔には、その台詞には似つかわしくない、穏やかな微笑が浮かんでいた。
百鬼の体ががたがたと震えた。
自分は強いと自覚していた。穴山には及ばないとしても。
けれど、トリ頭の男に敗れ、今も、華奢な青年に簡単に後ろを取られてしまった。
彼の獲物は木刀だが、もしこれが日本刀ならば―――。
「わ、分かった、解毒薬は渡す、だから、放してくれ」
「いえ、解毒薬を渡すのが先です。さぁ、早く」
「・・・くっ・・・・・」
百鬼は震える手で懐から解毒薬の入った紙包みを取り出した。
「本物、ですよね?」
「ああ、本物だ」
「良かった」
宗次郎は今度は心なしか嬉しそうににっこり微笑むと、すばやくその紙包みを受け取り、百鬼を解放した。自由になった百鬼はすぐに宗次郎と間合いを取り、自分の武器を拾い上げてほっとする。
「ありがとうございます。じゃあ、僕はこれで」
宗次郎は、本当に屈託のない笑みを浮かべて、まるでそれは先程とは別人のように百鬼には思えたのだけれど、開け放たれた戸の向こう、月明かりの下に去っていった。
一人残された百鬼は、しばらく茫然としていたが、やがてまだ震えの止まらない体のまま立ち上がった。
「駄目だ・・・・あ、あんな奴らに勝てっこない。俺はまだ死にたくねぇ・・・・穴山様にゃあ悪いが、俺はここで抜けさせてもらうぜ!」
そう叫んで飛び出していった百鬼の行方は、その後誰にも知られることはなかった。





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