るろ剣実写映画感想





以前の日記で書いたものをちょっと修正してサルベージです。
色々と感想はあるのですが、キャラごとになるべく時系列順に行きたいと思います。
あと今更ですが、ネタバレ注意!!
役者などの皆様がたの敬称は略しています。ご了承下さい。
その点踏まえた上でどぞー。







・緋村剣心as佐藤健


びっくりするくらいハマっていて、途中から「これは漫画の実写なんだよな?」ということを忘れるくらいに見入っていました(笑)


冒頭の鳥羽伏見。
「新時代が…やっと…」のセリフで早くも涙ぐんでしまった…。
何かこう万感こもってて「そーだよね本意ではなく人を斬り続けてやっと新時代が来たんだもんね…」とあの一言でぐっと切なくなってしまいました。
一転して明治になったらなったで、平和な光景や人々を見て本当に嬉しそうな剣心にまたぐっと…。すいません、涙腺弱過ぎです自分。
そんであんなに嬉しそうに団子を買ったのに、結局食べられなかったのが気の毒。一個くらい、一個くらい…!
「おろ」やござる口調、実写だとネタ臭くなってしまうので言い方苦労したと思われますが、違和感なくて良かったです。


薫を背後に庇う立ち方や、薫に手を引っ張られて走っていく姿等、仕草や所作がちゃんと剣心してるのが凄かったです。
神谷道場でのバトルでは結構徒手空拳で立ち回りしてて、剣を抜かなくても強い!っていうのが良く出ててGJです。壁駆け上がってくのとか良い。
あと時代劇スキーの自分としては、納刀の所作にグッときました。
原作とかだと、割とパチっとすぐに納刀するイメージなのですが、刀の鍔元を鞘の入り口に近付けて、そのまま刀身を走らせて切っ先まで持っていってから納刀するというあの仕草(←この一連の仕草、一言で言うと何というのでしょう…; 分かり辛くてすみません)、時代劇なんかでよく見るその納刀の仕方を剣心がやってたのにときめきました。


赤い着物に着替えるシーン。和月先生も絶賛しておられましたが、あれは良かった!
ぱっと鮮やかになって「やっぱり剣心はこーじゃないと!」という気にさせられました。
赤べこで初牛鍋を恐る恐る食べてるとことか、仕草がいちいち可愛いです(いや、変な意味じゃなく)。
左之助とのバトルは、群衆の中に突っ込んでいくのが個人的には△。
原作の剣心なら人に被害が及ばないようにするんじゃないかなーと思うので…。船の竿で棒高跳びジャンプも、おおっとは思ったけど船頭さん落としてるし(笑)



巴さんを思い出すシーンは切なかったですねー。あの傷を撫でるとことか…。
佐藤さん演じる剣心は、原作イメージのままに華奢で穏やかな顔なのに、手はちゃんと成人男性の大きな手をしていて、そこもときめきポイントの一つでした。
清里さんを斬った後に震えていたのは、佐藤さんのアドリブらしいのですが、新時代の為にって人を斬っていた抜刀斎が、個としての『人間』を斬った、という恐ろしさ、怖さに今更気が付いてしまった…というのが出ていて、すごく良かったと個人的には思います。



観柳邸討ち入り。
刀を持った大勢の人が向かってくるのって、改めて見ると超怖ぇー!!
原作・アニメだと二次元なわけですが、実写だと三次元ですから、立体感や奥行きというものを伴ってくると、刀持った人間が大勢…ってものすごく怖い光景ですよ。殺陣とはいえ、よくぞやり遂げたな〜って率直に感心してしまいます。模造刀とかだとしても、あんなもん振り回されてる中に突っ込んでくの怖いよ…。佐藤さんすごい。
あと左之助との背中合わせが熱い! 男のバトルの醍醐味!って感じだ。


VS外印。ワイヤー?(斬鋼線の名残りだろうか…)から剣心がどうやって抜け出たのか、目で追えなかった…。


観柳戦は、棒読みの「降参でござる」が最高に面白かった。
観柳の「服を脱げ!」は香川さんのアドリブらしいですが、上着を脱ごうとした左之助が生卵をぶつけようとした時にはもう、剣心は刀を拾いに動いてるのですよね。流石だ。
個人的には「命乞いなら貴様の好きなお金様に〜」のセリフも言って欲しかったところです。


刃衛戦。闘いの流れ自体は原作と大体同じですが、やはり殺陣が凄いですね。抜刀術の構えとか、双龍閃の後のあの足の形とか…原作の剣心を思い出しましたね。


剣心への総合的な感想として、アクションの凄さは勿論のこと、仕草や所作、声色の変化、それから目の演技が素晴らしかったと思います。
剣心を三次元化したらこうなる!というのがよく出ていたというのが個人的な所見であります。


・神谷薫as武井咲 原作の薫とイコールかというとちと違うのですが、『実写版の薫』としては個人的には花マルです。 勝気で、でもいじらしいところが出てたな〜と思います。 剣心に対し、最初はつんつんしてたけど少しずつ惹かれていって、だんだん構うようになっていく…っていう過程が、何だか初々しくていいですな。 「ネコちゃんだ〜v」が素っぽくて普通に可愛かった(笑) 道場を襲撃されておろおろしてるところとか、「土足で上がるな!」のセリフとか、年相応の少女らしさが出てて良かった。 賛否両論の、刃衛戦での長台詞、個人的には賛です。 原作と尺が違う都合、剣心が何故薫に心を動かされたか、っていうのを表現するのに、あのくらいのセリフ量はあってもいいかな、とおもいます。どこまでもひた向きで、まっすぐな薫。 やっぱり剣心は薫のそんなところに惹かれたんじゃないかな〜と思うので。 ・明神弥彦as田中偉登 ぴったりのキャストで、弥彦の生意気な感じがよく出てたな〜と思います。弥彦が三次元化したら、実際こんな風にホント子どもなんだよね…。 今回は出番が少なかったので、見せ場もあまり無かったのがちょっと残念。もう少し登場させて欲しかったところですが、やはり尺の都合上、仕方ないのでしょうな。 薫や剣心とのやり取りシーン、良かったです。 ・相楽左之助as青木崇高 原作とはちと雰囲気やキャラが違いますが、これはこれで「愛すべきバカ」という感じに仕上がっていて良かったです(注:褒めてます)。 剣心とバトルしたのに後腐れない感じとか、番神戦との〆のセリフとか、左之助の好漢っぷりがいいですね。 銃声聞いて剣心を心配したりとか…うん、まさに「いい奴」という感じ。 観柳に降参すると見せかけて実は策が…というのも良かったです。 青木さんのダイナミックな演技っぷりが見事にハマってて素晴らしかったです。 ・斎藤 一as江口洋介 これまた賛否両論の斎藤さん。原作とはやはり雰囲気など異なりますが、『実写の斎藤』として、個人的にはこれはこれでグー!!です。 江口さん、やっぱかっけぇー。 冒頭からあの渋さっぷり…! 観柳に「調子に乗るんじゃねぇぞ」と小声で凄んだり、逆刃刀を見て「何だこのふざけた刀は」と吐き捨てたりのシーンがツボでした。 牙突もちゃんとありましたね! 構えがかっこいい!! その後の跳躍からの〜シャンデリア破壊は…まぁ、うん、あちこちで色々言われてますが、事前にそこは知ってたせいか、噴き出したりはしませんでした。 ラストまた出てきたり。 全体的においしいところを持っていく辺り、やはり斎藤さんでございました(笑) ・高荷恵as蒼井優 これまた原作とは雰囲気が違う恵さん。最初、声がずいぶんと可愛らしかったので、お?と思いましたが、剣心と過去を語り合うところなど、低くなっていて凄味が出ていたので、おお〜と思いました。 気になったのは、原作衣装を元にしたであろう紫の着物…。 色はともかく、何であんな質感だったんでしょーか…。何かテカテカしててちょっと違和感。 髪がばっさーしてたのもちょっと…。 何か色々ともったいなかったな〜という感じでした。 しかし阿片製造過程の様子とか、実写でやるとやはりえぐいですな…。 薫もそうなんですが、恵も踏んだり蹴ったりな目にあってて、双方ともに体張ってて本当に凄いなーと思います。 ・武田観柳as香川照之 いい悪役っぷりでした…!!! 原作の観柳かっていうとやはり違うのですが、『実写の観柳』として小憎たらしい感じやいい味が出ていました。 流石は香川さんといった感じ。 あの妙にひゃっはーな感じとか、懲りてないところとかね。良かったです。 ・鵜堂刃衛as吉川晃司 カラコン怖ぇー!!(まずそこか) でも原作刃衛の瞳を再現してて凄いと思いました。 こちらは観柳と違い、原作より落ち着いた印象。でも静かな狂気、という感じ。 警察斬りまくってて、やはりえぐかったですな…。正直、あそこまでしっかりと残虐に描いたことに驚きました。 アクションも素晴らしい。背車刀をマスターしたのが凄ぇ。実写で本当にあの技ができるとは…。 自害した理由を言っていないので、何で自害したのか、という理由がちと弱い気がしました。 ・外印as綾野剛 だいぶ原作とキャラ変わってます。再筆版の外印ですらない。 でもこれはこれで良し。 頬に火傷の跡があったり、髪が金髪だったり、原作の色んなキャラの色んなところをミックスした感じに仕上がってましたな。 二丁拳銃や短刀でのアクションが派手でよかったですね。 そして気になったのは服。何故にレザー風…。 ・番神as須藤元気 ・これまた原作とはキャラ変の番神。 左之助とのバトルは、お互いに何だか楽しそうで面白かった。 しかし何故クリスチャン?設定にしたのだろう…。 その他キャラまとめ。 役者名省いてます。すみません…。 ・清里 まさかの月代。何度も立ち上がるシーンは、個人的には泣けました…。そしてすがりつく巴さんが切ない。 ・妙さんと燕ちゃん 映画的にはチョイ役ですが、原作既読組には嬉しい出番。 赤べこの造りが、原作みたいに仕切りがなくてだだっ広くなってましたね。実際あの時代はああいうのが主流なんでしょうな。 ・浦村所長 妙に再現度が高い。そしてちゃんと出したのが素晴らしい。 ・その他モブ 剣心対左之助戦など、やたらノリのいいるろ剣世界のモブ…。 でもいい味出してました。 やられ役の大勢の方々も、派手なアクションの立役者です。凄かったです。 取りあえずキャラごと感想はこんな感じでした。 剣心だけやたら長い…。 そのほか感想↓ ・セットや舞台背景について あの時代の埃っぽさがよく出てたな〜と思います。 不自然に妙に小奇麗なんじゃなくて、なんというかリアルな感じがしました。 あと何ていうか、湿度? うまく言えないのですが、時代劇独特の空気があったというか…うまく言えなくてすみません。 アニメが色鮮やかな分、映画の方がやはりリアルに感じ、あの時代が立体化されているな、という印象を受けました。 神谷道場の間取りが、原作やアニメとはだいぶ違ってましたね。真ん中に道場がある? みたいな…。 あと中庭に鶏を飼っているのに驚きました…!(笑) 雨や雪、散る桜など要所要所に挟まれていていい効果出していました。 はじめ実写と聞いた時、正直、原作のイメージが壊れるし、元々原作は少年漫画でバトルものだから、実写して寒くなるのは嫌だな、と思っていました。 ところが蓋を開けてみれば、すごくいい出来に仕上がっていて、大友監督や役者の皆様には勿論、スタッフの方々皆様に頭の下がる思いです。 原作の雰囲気を残しつつ、『実写としてのるろうに剣心』を素晴らしく表現して下さったことに、ただただ感無量です。 大好きな作品名だけに、漫画の実写化としては、この高いレベルさに本当に満足でございます。 実はもう2回観に行っちゃったし…(笑) 興行的にも良さそうで、次回作の噂も飛び交ってますが、もし続きが製作されるならば、追憶+人誅編→京都編の流れでやって〆てくれたらいいな〜と個人的には思います(役者の年齢なども考えると…)。 宗次郎が実写されるのは正直微妙だな〜と昔は思ってましたが、実写版のこの出来を見て、逆に「宗次郎は実写ならどんな風に描かれるのか」という点に興味がわきました。 もし、京都編が製作されることになったら、宗次郎は是非是非演技力のある方に演じて欲しいものです。 難しいキャラなので、相っ当に演じるのも難しいと思われますが…。 そんで、京都編制作の後、「宗次郎はこの後どうなるの〜!?」という新規ファンの声に押されてスピンオフで宗次郎主役の『北海道編』製作決定、タイアップで和月先生が幻の『北海道編』をついに描くことに!! …な〜んてことになったら最高なんですけどね…。 (まぁ妄想するのは自由なので、夢見させて下さい)
プラス、



ではではGO!







ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。

2013,2,18

初出:2012,9,6








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