るろ剣「新京都編」後編の感想





以前の日記で書いたものをちょっと修正してサルベージです。
前編に関しては、原作を収縮したような感じなのであまり言及したいことがない(剣心の目潰し位だ…)ので割愛。


プラス、


・管理人宗次郎スキーなので彼に対する感想多め
・時々毒舌


この点ご了承の上どぞー。
また、作中のセリフなどはシナリオブック参照にしてるので、映像とは一部違う点もあるかも、です。
大体ストーリーに沿って進行、途中途中に感想および突っ込みを入れています。
ではではGO!







・夜景の中の葵屋でしっとりと始まる新京都編後半。
操ちゃんが翁の看病してる所に般若たちの幻?が現れますが…

操「ひょっとこ…べシミ…式尉…般若君…」

式尉呼び捨てっすか!!?
いきなりびっくりしました…。(原作だとさんづけだったハズ)
細かいところなんですが、私割と呼び方にこだわる(笑)ので、ここ気になりました…。




・ひたすら仏像彫ってる安慈
他にも突っ込んでる方おられましたが、いつから仏像彫り師になったんですか、安慈…。
志々雄一派に集った者達にとって、志々雄は光だというエピソード。
原作でもはっきりとそう描いてはないにしろ、記されてはいたことが、明確に言葉で表現されています。
そしてこの『光』という単語が後編のキーワードになります。




・斎藤と左之助の食事シーン
斎藤さんの性格が新〜だとマイルドになってるせいか、衝突の少ないこの二人。
左之、「俺は剣心の手助けをするために京都に来たんじゃねぇ(中略)俺は俺の闘いをしに来た」と断言してます。原作とはだいぶスタンスが違うようです。
相楽隊長の真正面生首にびっくりしました…。




・葵屋での剣心組+京都御庭番衆。
ほっぺたを引っ張られてる剣心が面白い。
そして薫よ、少し空気読め…。
京都組の前で痴話喧嘩やったら、操は辛かろう…(苦笑)


出会い方とかも違うせいか、操も薫に対して大分線引いてます。まー確かにいきなり会っていきなり共に闘うことになるし…この辺りの操の思考はリアルな感じがしましたそして師匠に会わずに小舟で旅立つ剣心。
いや…川から小舟って…だいぶ無謀な気が…。





・宗次郎の独断で一派に誘われる蒼紫。
しかも単に埋めあわせ的な…。


由美さんが、今回は女らしい上に部下に指揮とかもしちゃっててかっこいいです。単に愛人、ってだけじゃなくて、実務のサポートもしてるよ、みたいな有能な感じ。志々雄さんが由美さんを本当に信頼してるのが伝わってきます。
前半の濡れ場はびっくりしたYO! (爆)


由美さん、宗次郎とも仲良しな感じ。由美さんにいろいろ頼まれて「はいはい」って返事する宗次郎の可愛いこと!
でも気になったのがこの「はいはい」ってセリフ。確かに可愛いんだけど…後半の約40分の中で4回は出てきたよ…。多いって!!(笑)
でも、同じセリフでも、「もうしょうがないなァ」みたいな「はいはい」とか、ちょっと慌ててる感じの「はいはい」とか、全部言い方が違うのが日高さんSUGEEEEEE!!


志「新撰組の残党が銃弾で撃たれて魚の餌になったら、あの世で肩身が狭かろう。奴の相手は俺がする」
志「部下が失礼をしたが、わざわざの見送りにこの剣を持って答えたい。いかがか」
などなど、新〜の志々雄さんは言い回しがかっこいいです。
加えて、器のでかさというか頂点に立つ者の威厳というか、そういうのが感じられてグー!
斎藤さんとの闘いも互いにかっこよかった!





・左之助と安慈の闘い。
二重の極みなし?なのにすごいことになってます。だいぶ原作をはしょってるけど、志々雄一派の人間の過去を匂わせてます。
そして安慈は志々雄にとっての光を、救われる術を求めている、という…。確かに安慈の言う通り、志々雄はそんなものは求めてないんでしょうが、なんというか、師匠の「志々雄の心に触れることができるか」発言といい、志々雄もまたある意味救いを必要としている存在、みたいに描かれているところがある気がする。
まーでも志々雄さんにはそんな感傷なさそうだし、一笑に付しそうだけどね…。
でもなんというか、どこまでも強くあろうとする人間の、明治という時代でも剣客であろうとする人間の、ある種の悲哀みたいなもの、が伝わってきたというか、ううむ、うまくまとまりません。


何だろう、志々雄はどこまでも敵役として強いしかっこいいしピカレスクだしでどこまでも自分の生き様と信念、弱肉強食の真実を貫こうとするものすごい人間なのに、その陰の部分にあえてスポットを当てて描いているように感じたもので…
つーか、後編の主役ははっきりいって剣心じゃなくて志々雄だった。




・剣心対宗次郎戦
尺の都合で仕方ないことはわかってるんですが、うん、あの…
あっさりし過ぎだ!!
ってか宗次郎、あっさり負け認めすぎ! 何であれで負け認めたのか正直わからん!!(そんなわけでサイトの新京都編での小説ではその辺敢えてオミットしてみた)
闘い自体は、うん、二人とも速い。宗次郎素敵(オイ)


宗「緋村さんの剣で感情…心を呼び覚まされた僕の負けです」
脚本家ダウトぉぉぉぉぉぉ!!
宗次郎自身に感情がどうの、とか言わせちゃあかんだろと私は思うのですが、皆さんはどう思われるでしょうか…。
個人的な解釈ですが、宗次郎は自分に感情がないことは自覚していないと思うので。


宗「志々雄さんは一片の迷いもなく、命を燃やしている。その心は、闇色の炎…」
宗次郎はいつから中2病に罹患したんだ。





・VS不二
リアリティ?を出すためか不二が小さくなってます。
そして後編頻出単語「光」! また出ました!!

翁「光じゃ…」
操「光?」
弥「刀を介して心に触れたんだ」

ということらしいです。
弥彦が言ってることは、ある意味原作の闘いのポイントではあるんですが、なんかこう…新京都編後編はその「刀を介して心に触れる」っていうのが、実際に剣を交えてのやりとりとか、言葉や精神のやり取りとか、信念のぶつかり合いとか、原作にあるそれらをすっ飛ばしてそのままずばり言葉の意味になっているというか…。
いつからるろ剣はそんなサイコメトリックな話になったんだ。





・剣心対志々雄
志々雄が炎出さないので純粋な剣のやり取りになってます。
というか前座だった筈なのに、志々雄にあっさりと約束を反故にされた蒼紫…。


例の頭が割れるのはネタバレ読んで知ってましたが、割れた頭をくっつけるのはギャグにしか見えないよ志々雄さん…。
斎藤の牙突零式が実は致命傷だった、ってのは、シナリオブック読まないと分からないですね。
というか賛否両論の剣心のとどめ…。やっぱり思いっきり不殺破ってるよね、これ…。剣心の意思はどうあれ。
まぁ、シナリオブック参照だと「刀の赤空の念がとどめをさす」らしいんですが。
だからいつからるろ剣はそんな話にry



宗次郎が今回は、負けても志々雄から離れません。ある種パラレルだからこそ見られる志々雄についていくルート。
砲撃の指示してる宗次郎が可愛いです。
個人的には「射角ちょい上げ」より、「撃ち方、始め!」の方に悶えてしまいました。だってキレモード中じゃなく平常モードでの凛々しい声だったので尚更…。





・剣心対蒼紫。
何かもう…蒼紫の扱いが不憫すぎて…(泣)
いや、尺の都合ということは分かってますが、もっとこう…。
あっさり改心し過ぎだし、何で改心したのかもこれじゃあ良くわからないよ…。





・闘いの終幕
煉獄は沈み、闘いは終わりを迎えます。
志々雄さんと共に死ぬことを選ぶ由美さん。何か由美さん、女っぷりが上がってます。これはこれで切ない。
一人取り残された宗次郎。自分なりに解釈して小説も書いてみましたが、斎藤さんが声をかけなかったら、やっぱりあのまま死んでたんでしょうか。


新〜の宗次郎は、原作の宗次郎以上に何というか薄い気がしました。
人間味が原作以上になくて、だから尚更不気味で、哀れみたいなものも醸し出してる。
いつでも笑っている怖さがなおのこと薄気味悪いというか。物語の尺の都合ももちろんあるのでしょうが、あの人間味の薄さにぞっとして、悲しくなりました。こっちの宗次郎は、この先救いは見い出せないんじゃないか、と。だって実際、救いがあるように見えない…。
原作のような、答え探しという今後の指針があるわけでもなく、志々雄も死んでしまう。
こちらの宗次郎はずっと『本当の自分』を取り戻すのは叶わないのでは、とそんな風に思います。


個人的な救済とこの後の宗次郎の予測を含めて書いたものが、小説部屋にある「光の獄」です。
よろしかったら読んでみて下さい←宣伝乙。



葵屋に戻ってきた剣心と蒼紫。
蒼紫に抱きついて泣きじゃくる操ちゃんが可愛かった…!
そしてラスト、まさかの青空一家再登場。
無限刃が封印されました…。つーか逆刃刀も奉納しようとする剣心にびっくりした。
新〜の剣心は原作と大分スタンス違ってますもんね…。前編で目つぶしやらかした時は目を疑ったよ。こんなの剣心じゃねぇ、って。
やっぱり強くて迷いもあるけどどこまでも優しい剣心が好きです。





総評:


・登場人物の新たな側面を描いたという点は良かった。
・新たな萌えポインツが映像で見られたのは良かった。
・長い京都編をこれだけ圧縮したのはすごいけど、やっぱりもっと尺が欲しかった。
・単にこの期に及んで(←いい意味で)、るろ剣の新作アニメを見られたので良かった。


取りあえずこんなところです。
色々と不満もありますが、やっぱり新たな視点で描いたるろ剣を見られた、というのが良かったです。


まとまらないですが、以上!
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。

2013,2,18

初出:2012,9,6








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