あなたは今、どこにいますか?
あなたは今、何を思っていますか?
殺されて悲しいですか、悔しいですか、それとも、


恐怖から解放されて、嬉しいですか?





何処に居ますか?




雲間から光が差し、優しく地上に降り注がれている。
あれは天使の梯子って言うんだよ。
いつだったか、誰かが教えてくれた。
もしも天使がいるのならば、こんな自分達でも、迎えに来てくれるのだろうか。
「なぁ、タツボン」
「何だ、シゲ」
「俺・・・・眠い」
「俺もだ」
野原に投げ出した体は、成樹も竜也も、二人とも血まみれだ。
仲間を探そうと、躍起になって島中を駆け巡った結末がこれだった。
誰にも出会えず、ようやく見つけた藤代はマシンガンを持っていて。しかもゲームに乗っていたものだから、全身を撃たれて。
トドメを刺さずに去ったのは、もう助からないと判断したからか。
それとも、せめてもの情けだろうか。
「死んだら、どこに行くんやろな」
「さぁ・・・・」
動く力は無かったが、話す気力だけはかろうじて残っていた。こんな時でも、いや、こんな時だから、いつものような口調で言葉を交わす。
「あの世に行ったら・・・・先に死んだ奴らにも会えるんかな」
放送でしかその死を知らない仲間達。風祭。不破。みんな。
彼らは今、どこにいるのだろう。
「さぁ・・・・」
「・・・ってタツボン、さっきからそれしか言うてないやんけ」
「・・・・・・・・」
「タツボン?」
何とか首を動かして、隣の竜也の様子を見る。瞼が落ちていた。浅い呼吸で胸が上下に動き、そしてそれも、そのうち止まった。
「・・・・・・・」
成樹は首を戻して、空を見た。例の天使の梯子が目に映った。
どうせなら、青空拝んで死にたかったわ。
声に出す力も無く、成樹は心中でそう思う。
眠るように意識が沈んでいく中、人は死んだらどこに行くのだろう、その疑問だけが脳裏に焼き付いていた。





あなたは今、どこにいますか?
あなたは今、何を思っていますか?
死んで哀しいですか、寂しいですか、それとも、


仲間にまた会えて、幸福ですか?





<END>









ふと浮かんだ話。即興で書いたので短い短い。
シゲ&水野って、今まで100のお題内でありそうでなかった組み合わせ。
CPのシゲタツはあんまり好きじゃないけど、この二人のコンビは好きです。


2004年11月27日



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